偶然 Kevin Mitnick のインタビューを聞くことができた

アメリカではこういう人がメディアに出てくるんだな。
今はセキュリティコンサルタントをしているらしい。


本物は彼自身が逮捕されるまでの経緯を題材にした映画で見たKevinよりもっと Kevin Mitnick 的だった。
最初は電話機の設定をいじって遊んでいたが、通っていた高校の教員用コンピュータで学校の電話にいたずらを始めたのがハッカー人生の始まりだったとか。
「逮捕に至る一連の出来事が無ければ普通のナイスガイなのに、なぜあれほどの代償を払ってまであんなことをしたのか」という問いに対して、ハッキングを続けたのは純粋な好奇心とチャレンジ精神から始まった冒険で、経済的な理由は一切関係ない、と答えていた。
古き良きハッカーの典型のようでもある。
が、話を聞いていると、なんだか箍の外れた感じがして、インタビュアーも何を聞いていいかわからず言葉に詰まることが何度もあった。
なんというか、常識が通用しない感じというか、いや、何が常識か極めてよく知っているからこそハッキングができるのだが、そういう感じがする。
善悪を超越しているというか、そういう尺度とは縁が無い感じだった。
善悪の判断がつかないとか、そういうのが身についていないとかいうのとは、次元が違う。
彼はハッキングに必要な情報を得るために他人になりすまして行動することが度々あったが、こういう感じの人が来て早口でまくし立てたら普通の人はめんどくさいから通してしまうだろうなぁ、という気がする。
最近多い"ハッカー"について、アマチュアレベルだと言っていた。
インタビュアーはその"アマチュアレベル"の自称ハッカーがやっていることすら魔術のように感じているような人なので、初級ハッカーたちがやっていることを子ども扱いするKevinに対して、雲の上から落ちてきたドラゴンか何かの化け物と向かい合うような雰囲気になっていた。


実際は現代のハッカーのほうがKevinよりはるかに上を行っている。