モスクワから日本のサーバーにアクセスすると欧米を経由する

有料サーバーをいろいろ調べてだいたい把握できてきた。
転送量無制限のところが多いのは嬉しい。
もっとも、制限がある所でも使い切る心配はまずないだろう。
サーバー自体のスペックに不安がある所はむしろ少数派で、たいていは一番基本的なプランで事足りる。


問題は立地で、以前日本のサーバーを使っていた時中央アジアからアクセスできなくなっていたことがあって、そういうことの無いようにしたい。
改めて世界のバックボーン回線事情を調べてみたところ、日本から西を見ると中国では上海から香港にかけての沿岸部周辺に集中していて、そこに北京から比較的細い回線で接続している。国際回線は東シナ海南シナ海から東や南に多く出ている一方、西側へ向かう回線はロシア国内の回線から極東で北京に接続している線のみで、あれだけ広い内陸部にはバックボーンと呼べる回線は全くない。
日本から西周りでヨーロッパへ向かうには北京経由でロシアを通るか、東南アジアからインド中東を経由するか二通りだが、どちらも遅く、モスクワから日本のサーバーへの経路を調べたらヨーロッパからアメリカを経由して太平洋を通って来ていた。


うちのサイトへのアクセスは、ヨーロッパからが半分弱、アメリカからが約3割、日本からは8%ほど。
つまりサーバーが物理的に日本にあるというのは立地として最悪で、アクセス状況と自分が使うときのレスポンスを考えるとロンドンあたりかアメリ東海岸が好ましい。
イギリスで業者を探したが当地ではアメリカの業者を使うのが普通なようでロンドンローカルのサーバーは見つからず、またアメリ東海岸にあった業者は自分も巻き込まれたハリケーンの被害を受けて中部に移っているので東海岸ローカルというサーバーも無い。
条件が一番近いのはアメリカ中部のサーバーということになるが、その辺りにある大規模データセンターというのはまさに今使っている所で、有料であっても立地的に今より好ましいサーバーを見つけるのはまず不可能。


中部に一番近いのは山岳部の業者で、はっきり言って僻地にあるのだが、日本でも土地が確保できる北海道に大きなデータセンターがあったりするのでどこも事情は似たようなものなのか。
アメリカの西海岸に近くなってくると、ヨーロッパからアクセスする場合、日本と比べて1秒かかるか1.5秒かかるか程度の違いで、どちらも最速ではないが耐えられない遅さでもない。
だったら日本のサーバーでもいいか、と、なぜか最悪だったはずの結論に落ち着いてしまう。
実のところ日本のサーバーが相対的に一番安く、それはつまり世界を相手にできるアメリカのサーバーは需要があって高くても売れる一方、ネット上の最遠の地にある日本のサーバーはやはり需要がないのでそれなりの価格になるということだ。
日本からモスクワのサーバーにアクセスしてみても困るほど遅くはないので日本のサーバーでもいいかもしれない。


差し当たり今使っているサーバーで無駄な抵抗をやめて素直に業者のスクリプトを組み込んで運用してみて、それで駄目だったら具体的に移行を考えよう。