HTC One M9購入

2013年春ごろから使っていたAcer Liquid E1、購入直後からGoogle mapが重くて性能に少し不安を感じていたが、アプリがアップデートを繰り返すうちどんどん重くなっていきいい加減苦痛になってきたので、7月初めにAsus Zenfone2 ZE500CLを買った。
Android 5でだいぶ軽快になると聞いていたので期待して買ったのだが、想像以上に快適で、普及価格帯のモデルでこれだけ快適ならハイエンド機はいったいどれだけ快適なんだろう、そう思って8月初めにHTC One M9購入。
発売直後は発熱の問題があったという話は調べて知っていたが、アップデートで解決されたと聞いて安心して買った。
だが実際にはほかにも問題があって、というか、アップデートの結果新たに不具合が起こったのかもしれないが、おかしな挙動が頻繁に起こり、原因を突き止めるのに1か月ほどかかってしまった。
メーカーが特にコメントを発しないのはすでに更なるアップデートの配信が進んでいるからなのか問題を軽視しているのか。


特に目立った問題点は以下の3つ。
・相性の合わないSDカードを使うとUSBケーブルで充電器につないでいてもケーブルからの給電が止まりバッテリー駆動になってしまい、それでいて表示は"Charging"のまま。
・データ通信専用のSIMカードを使うとアンテナピクト表示が圏外のままになり、さらにスリープからの復帰に異常に時間がかかるようになり結果的に復帰させるためのジェスチャーが効かないことがある。
Microsoft製のアプリを使うとハードウェアのモニタリングが正常にできなくなる。


3点目はほかの機種でも起こっていたもので、最悪端末丸ごとリセットしないと元に戻らなくなる。M9の問題点ではないかもしれない。


発熱が大きいとされていたのはM9の構造上の理由もあるかもしれない。
今どきのスマートフォンは薄くするために各種部品を平面上に並べるように配置しているものが多いが、この機種は重ねる形をとっている。
そのメリットはいくつかあるので主な目的が何なのかはわからないが、この形のおかげで大変持ちやすい。
むやみに薄くしフットプリントが大きくなるようだと自分の手の大きさに限界がある以上当然持ちにくくなる。
特に厚みは程良い厚さであるべきだと思う。
で、内部はディスプレイ側から、ディスプレイ-バッテリー-メインボードという順で重ねられていて、各プロセッサはヒートパイプの役目をしていると思われる銅箔で覆われ、その銅箔がアルミ製の背面ケースに触れるようになっているらしい。
つまり手に持ったとき直接触れているケース部分は実はCPUのヒートシンクにもなっているわけだ。そして手で触れることによって血流を利用した水冷システムのような形でも冷却される。
つまり、熱い。
ネットではこの熱を以ってバッテリーの異常発熱だとしているものを見かけるがそれは間違いで、バッテリー自体はどんなに温度が上がっても45℃が最高で危険を感じるような温度ではない。
HTCのハイエンド機では何世代も前から採用されている構造で、M9でも同様に採用したため、特に発熱の大きいCPUを使ってもSony製の端末のようにオーバーヒートで一部機能がシャットダウンするような事態にならずに済んでいるのだと思う。


事情が分かれば扱い方も分かる。
長時間高負荷をかけるような使い方は向かない機種だが、そもそも自分はそういう使い方をしないし、故に問題にならないと判断しての購入。
気を付けるべき点がわかって対処できてしまえば質感の良い紛うことなきハイエンド機だ。


デザインはかなり綺麗で、色はシルバーを選んだが、側面は落ち着いたゴールド。
もっと派手な色を思い描いていたがそうでもなく、最初はゴールドの端末を探していたのでこれだったらシルバーでなくゴールドでもよかったかもしれない。
M9を選ぶ決め手になったのはカメラで、センサーは東芝製らしく、RAWで撮れる。
そのため写真一枚のファイルサイズが40MBにもなってしまうが、自分で現像できる意義は大きい。
素の状態だとまるでトイカメラで撮ったような映像で、なぜならトイカメラような小さなカメラで撮っているのだから当然なわけだが、そうであってもPCのパワーで時間を気にせずに現像すればかなり良好な写真に仕上がる。
こういう撮り方に慣れると画質的に受け入れられるのは他にMicrosoftスマートフォンしかない。


問題が起こらないきちんとした使い方がわかってみると、大変満足度は高い。
しかし、上記トラブルの原因が広く世間に知られる前に欠陥品という評価が固まってしまって売れないらしく、既に事実上ディスコンになっている。
ある意味レア機だ。