YouTubeで広告掲載が再生回数で制限されるらしい

この世のすべてをインデックス化することを社の目標として掲げ、AI研究で最先端を行き、何でも知ってる、何でもわかるはずのGoogleが、広告主の望まないものへの広告掲載を防ぐというその程度の目的のために導入したのが「再生回数が1万回以下のチャンネルには広告を出さない」という、子供でも思いつきそうな単純で一律のルールだった。
システムの不備を人を排除することで解決しようという発想も筋が悪い。


個人的にAIには常に懐疑的で、特にAIには善悪の判断が無い以上悪意に対抗することができないのは致命的欠陥だというほかない。
元々AIが導入されるのは人間の感情に左右されないように自動的に処理を繰り返し続けることを目的としていることがほとんどだと思うが、そこには罪悪感を感じなくて済むというのも含まれているように思う。
そして機械的に利益や便益を最大化することを目指す。しかしこの「最大化」も、生身の人間の世界では、常に限界を試し続けるような行為は危険視されたり挑戦と受け止められたり、常に無条件に歓迎されるものではあるまい。


Googleは社内向けのモットーとして"Don't be evil."と言っているらしいが、大道廃れて仁義あり、Googleが本来的にEvilであるからこそこの標語が必要とされるのであって、昨今の問題は単にGoogleが本領を発揮しただけなのだろう。
こういう事態を予想していた人も多いだろうと思う。


なんとも言葉にならない気分なのだが、たぶん自動運転車が人を轢くところを目撃したら同じ気分になるにちがいない。