YouTube見ていてふと気が付いた

YouTubeで最多のsubscriber数を誇るPewDiePieとその彼女であるCutiePie、彼らのチャンネルを見ていて再生回数が気になったので過去と比べてみたところ、二人ともこの2年くらいで動画一つ当たりの再生回数が約15分の1程度に減っていた。
一方でYouTubeで再生回数に応じて支払われる報酬が大幅に減らされ数年前の数分の一になっているらしいが、それが仮に半分だとすると件の二人がYouTubeから得ている収入は30分の1以下にまで減っている計算になる。
振り返ってみれば去年の夏PewDiePieはアクセス減を気にしている様子を隠さなかったし、YouTube以外の収益源を模索していたようだが、どうやら当てがつかず当面YouTuberとしてのみ活動していくと決めたようだった。
もっとも彼の場合デバイスメーカーとのスポンサー契約等があって全体の収入はYouTubeから直接得るものほど低下していないだろうとは思うが、しかしそうではあっても多くの人に見られるからこそのスポンサー契約であって、この流れが今後も続くようならすべて失うかもしれない。
既に一生生活するに困らないだけ稼いだだろうから、実際そうなったらさっさと諦めて悠々自適な隠居生活を送るだけかもしれないが、もう何年も前に結婚しない宣言を言い渡されているCutiePieのほうは路頭に迷うか実家に帰るかしかない。
ほかにもチャンネルをいくつか見てみたが、YouTube以外の収益源を見つけたり元々有していたところは去年の夏ごろ以降ほとんど活動していない。


なぜあの時期"YouTuber"が流行ったのかちょっと考えてみると、リーマンショック後のアメリカ等で多くの人が生活を切り詰める中で極めて安上がりな娯楽として浸透したのがそもそものきっかけだったのではないか。
欧米では契約しないと面白いテレビ番組は見られないわけで、その代わりとしてYouTubeが脚光を浴び、しかし経済状況が良くなって他にいろいろとできることが増えてきたら皆見なくなった、ただそれだけのことなのかもしれない。
ほかに選択肢がある中で飽きられたり呆れられたりしたら人は離れる。
マスを対象にしたビジネスでは当然の帰結か。


YouTube以外でも似たような印象を受けていて、テレビがマスに迎合した結果ほかの選択肢に逃げられた形で衰退している一方、その逃避先であったはずのネットでもすでに同様のことが広がっているのだと理解する以外にない。
ネットでは人の動きがすぐによりはっきりとわかるだけに結果が出るのも早いわけだ。
ちょっと考えれば予想できる話ではあるが、しかしこんなにひどくなるとは予想できなかった。
雑多な"ネット"から情報を得ることなどもはや不可能で、せいぜい世相を映す鏡程度の使い道しかない。
きちんとした情報というのはそれだけの価値がある故当然に有料で販売されることになり、したがってそれを買うしかなくなるわけだが、そこまで行くとネットのメリットというのは紙ゴミが減らせる程度になってしまうような気がする。
速報性は確かに有用ではあるが、しかし起こった事実についてヘッドラインだけ流すようなニュースは誰にでも流せるのであまり意味がない。
きちんと事態を理解している複数の人の目と手を経ることにこそ意味があるので、きちんとした記事に過度な速報性を求めるのは間違いで、そうなってくると紙の新聞でもまあ十分ということになってしまう。
実際にはネットと紙両方で一定以上の存在感を維持しているところを頼りにすることになるが、数が少ない。
しかも雑音が多すぎる。


ネットの利用が普及したことで結果的にずいぶん不便になってしまった。