Sony FeliCaの暗号が破られたらしい

だいぶ昔のことになるが、まだイギリス統治下だった香港に行ったとき、電車に乗る地元の人が改札のゲートに触るだけでさっさと通過していくのを見てかなり驚いた。
当時日本ではそういったものはなく、カオルーンのとんでもない地域とかモンコックの品揃えが良いわけでもないのに値段も安くないPCショップ街からは想像できないハイテク技術のように感じた。
しばらくして日本でも同じ規格を使用した改札システムが導入され、我が家の最寄り駅が最初に導入されたいくつかの駅のうちの一つだった。


時は流れて電車の乗車料金支払い以外にも非接触型のカードの利用がかなり進んできているが、あの時香港で、そして今では日本でもかなり普及しているSonyFeliCaの暗号が今年の8月に破られていたらしい。
一時期はやったSonyPDAにはFeliCaの読み取り機能がついていた。民生用の機器にそういった機能が付けられているようだと暗号はすぐに破られてしまうのではないかとかなり疑問に思ったものだ。


暗号化技術はいろいろあって、たいていの暗号は破ることはできるものの、暗号化された情報の価値に比してかかる労力が圧倒的に大きいことで実際的には役に立っている。
ところが聞くところによるとFeliCaの場合はそうもいかないようで、FeliCaで使われている共通鍵暗号方式では一つの鍵がシステム全体で使われるため、ひとたび暗号が破られてしまうとシステム全体が危険にさらされる。*1
そういう仕様なので最初から分かっていたことではあるが、実際に暗号が破られることはないと高をくくっていたら本当にやられてしまったわけだ。

*1:間違い