著作権法の改正で動画共有サイトの利用がどのように変わるか

昨日迂闊にも昼飯も食わずに昼寝してしまったので寝れない。


著作権法の改正でYouTube等の利用ができなくなる、という話が出てきているが、どこをどう取ればそのように解釈できるんだろう。
おそらくそういう主張をしている人物たちは専ら違法コンテンツを利用するためだけに動画共有サイトを利用しているからそういう判断になるのだろうと思う。


ダウンロードして動画を見ることによって初めてそのコンテンツが違法であることがわかる、という主張があるが、それは詭弁だ。
今まで見た中でダウンロードするまで本当に中身が全然わからなかったケースというのは記憶に無い。
むしろそれが何の動画だかわかっているからこそ見ようとするはず。
またサムネイルの形で動画の中のフレームが画像として表示されていたとしても、その動画が違法であるか否かを判断するために最低限必要な情報の入手が違法とされるとは考えにくい。


それと"違法サイト"という言葉が、混乱が生じているように見せたい連中に利用されている感がある。
違法サイトとは違法コンテンツを公開することに加担してしまったサイトの事を指しているらしい。
これまでは個々の動画の権利関係までいちいちチェックできていないわけで、結果として違法なコンテンツがアップロードされ公開され続けていてもそれを完全に排除することはできなかった。実際には今後もできないだろうと思う。
だからといってそのサイトで行われるものがすべて違法になる、サイトの存在そのものがすべて違法になる、あるいはそのサイトに関わると常に違法行為になる、というのは理論の飛躍がありすぎる。
もっとわかりやすく表現しよう。そんなこと言うやつは相当な馬鹿だろ。


「違法コンテンツのダウンロードの違法化」が議論されていた委員会のメンバーの法曹界の人たちは、実際コンピュータがどのように機能していて「ダウンロードする」ということがどういう作業・処理の集積として実現されているかについてほとんど知らないと言っている。時間はたっぷりあったのに、理解するための努力をしなかったらしい。
どういう行為について議論しているのか知らずにまともな結論が導けるとは思えない。


いつも思うが、議論の基盤になる部分がいい加減過ぎてどうしようもない状況がずっと続いている。
この有様では何をどのように変えても砂上の楼閣になるのは必至。
一番の問題は、"専門家"たちが各々必要な知識を持っていないことを自覚していない点かもしれない。