作り手が暮らしている環境が作品に強く影響を与える

ふと気になってValveの本社がある場所について調べてみたら、一年のうち夏以外は雨だか霧だかはっきりしないような雨がだらだら降り続け、冬はそれほど寒くなく雪もほとんど降らないが真夏でも暑くはならず昼間以外は肌寒い、なんていうはっきりしない気候だった。
こういう気候だと太陽が燦燦と降り注ぐなんてことはないので建物が輪郭のはっきりした影を落とすことがあまりない。
そんな場所で暮らしている人たちが"リアル"な3Dエンジンを作ったらSourceエンジンのような映像表現になるのは当然かもしれない。
Sourceエンジンでは影がぼんやりしてはっきりしないが、どの程度ぼやかすかを調整することができる。Valve本社周辺を再現するには完璧な仕様だ。


これとは別に、かつて東京の新宿にあるゲームメーカーがドラゴンクエストを作ったが、欧米ではモンスターが出現しすぎだと批判を受けることがある。
新宿のように人であふれている場所に慣れている人が作ると、20分歩いても誰にも会わないような町に住んでいる人にとっては異常とも言える遭遇率になってしまうんだろうと思う。


S.T.A.L.K.E.R.やってて確かにリアルな感じはするがこんな風景は実際にはないよなぁと思っていたが、プリピャチ周辺の写真を見てみたら本当にそういう風景があった。


自分が作ったものについてもいえる。
東京のど真ん中の10分やそこら歩いても路上にゴミが落ちているのを目撃することなんかまずない場所に住んでいる自分が普通な感じで作ったものがヨーロッパ人にはかなり空虚なものに映ったらしい。


もっといろんなものを自分の目で直に見ておかないと気付かないところで偏りが出る。