またゲームと攻撃性の関係ネタ

http://www.sciencedaily.com/releases/2008/11/081113101424.htm
この件ではゲームと攻撃性についての関連を見ようとして行われたようだが、突き詰めれば覚醒中の刺激的で未知の体験を睡眠中にどのように脳が咀嚼・消化するかのメカニズムについての研究に発展しそうな気がする。
当然それは学習のメカニズムでもあるし、危機に対応する能力についての研究でもあるはず。


問題は何十年も前に「テレビと暴力的行動の関連性」というお題で研究が始まって以来得られる知見にほとんど進歩がないこと。
暴力を目撃したり擬似的ではあってもそれを体験すれば暴力に慣れるのは当たり前なわけで、そのことを何度も観察して追認したってあまり意味はなかろう。
もっと注目すべきなのは、なぜ子供達(大人もそうだが)は暴力的なものを体験したがるのかということと、暴力に慣れた子供(同じく大人も)にどうやって暴力的な行動乃至その衝動をコントロールする方法を教えればいいのかという二点であって、学習のメカニズムまで踏み込んで調べることをせずに既に観察され広く知られている若い人間の当然の反応を再び観察することだけを繰り返すのは中学校の理科の時間に化学反応が起こる様子を観察して「おーほんとだ教科書にのってるとおりだすげー」て言ってるのと同じではないか。


非常に多くの要素が複雑に絡み合って人間の十人十色千差万別な行動につながっているのに、あたかも一つだけの要因がどの人間にも同じように働いて常に同じ結果につながるかのごとく考えているのが、研究対象をきちんと把握できなかったり意味のある結論を導けない理由なんじゃなかろうか。