最近違和感のある買収案件が多い

当事者である企業が発表する目論見の類には当然ある程度の説得力を持つ文言が並んでいるわけだが、そういうのとは違う次元でなんともいえない違和感を感じる。
屁理屈がぐるっと一周して出発点からは明らかに間違っているように見えるものが正当化されてしまっているという感じ。
今までいろんなものを見た経験として、目先の目的を追求し多くの人は気にしないからと根本原理のようなものを無視して進めると、あとで破滅的な失敗につながることが多い。
問題点を多くの人が心のどこかで感じていながら無視していく、それが日常になることによって無視できる問題の大きさがどんどん大きくなっていってしまって、ついには傍から見ると誰が見ても問題の存在が明らかなように思える段階に至っても引き返せなくなる。
そういう状況ですら渦の中にいる当事者に話を聞くと「これまでどおり邁進して参る所存で御座います」とか言っちゃうわけだ。
やり方を改めなきゃいけないのに、改めない決意を表明する、というか。
こういう企業なり組織を破滅に導く病理のようなものは、後になって辿ってみると、一番最初の芽のうちに摘んでおかないとまずかったのだということはすぐにわかる。
いや優秀な経営者がいれば方向転換くらいどうってことはない、という人もあろうが、破滅するのが明々白々な所にそんな優秀な人材が来るはずもなく、結局やはり最初の段階の凡人でも対応できる時に丁寧かつ真剣に病理の芽を駆除することでしか防ぎようがない。


なのに、だ。
最近その"芽"を積極的に育てようとしている人がやたら多いように感じる。