表現の自由をはき違えない方がいい

はだしのゲン閉架になった件をきっかけにいろんな人の意見が噴出してきている。
あの本は他では見たことがないほど憎悪と怨念が詰まっていて戦後の混乱期を楽しんでいるようにすら描かれている。
自分に子供ができたらこんなもの絶対に見せたくない。少なくともきちんとした判断ができるまで、高校に入るくらいまでは見ない方がいい。
描写には酷いものがたくさんあって、もちろん題材となっている時代には珍しくないものだったのかもしれないが、人によっては「それがいい」と言う。それがあの作品の特徴ではあろうが、良くはないだろう。あの作品の存在価値の源ではあろうが、だからといってそれが善であるということにはならない。
歴史的価値が云々言う人もいるが、それと誰にでも配慮無く見せるべきだというのは全然別個の話だ。
映画やゲームだってレーティングがあって描写が激しいものは年齢制限がある。漫画だって制限があって然るべきだ。
制限というと表現の自由がどうのこうの言う人が出てくるわけだが、表現の自由があるからこそ小さな子供にとって教育上不適切なものまで作品として流通できているわけで、受け止める側が様々である以上何もかも万人に同じように見せるのは不適切だ。
自分があれを最初に読んだのは中学の時だった。近所の区立図書館のうち一番治安の悪い場所にある図書館にだけ置かれていた。読んでみて、こんな醜悪な世界で暮らしたくないしこんな下等な人間にはなりたくないと思ったのを覚えている。
学校で小学生の時からはだしのゲンを話題にする人はいたが、"愛読"している連中は皆日頃から下衆な事を好き好んでやる奴ばかりだった。
そういうのを全部考えあわせると、やはりあの本は誰にでも見せていいものではないと思う。
自分は子供には見せない。大人にも勧めるということは決してしない。