NSAはほとんどのスマートフォンに自由に侵入できる

ドイツメディアが報じた内容によると、NSAはほとんどのスマートフォンに好きなように侵入しデータを盗み出せるようになっているらしい。
iPhoneBSDベースのOSを使っていて、BSD系列のOSにはFBIの要請でバックドアが仕込まれていた前科があるのでまあ予想の範囲内だ。
BlackBerryも同様。プロプライエタリなOSは全部そうだろう。
Androidについてもほとんどのメーカーのもので侵入が可能らしい。これは逆に言うと侵入できないものがあるということで、それはつまりAndroid自体のバックドアとか脆弱性を突くものではなくメーカーがサードパーティーのソフトを組み込んで出荷することで実現されている。


自分がOpenBSDバックドアが組み込まれていたという事実を知ったのは2010年末のことだった。
FBIとの守秘義務期間が切れたという人物が公表したものだった。
このバックドアはネットを通じた通信の盗聴に使われていたもので、表沙汰になれば盗聴活動に影響が出るわけだが、すでに分かっている通りこの時期にアメリカはメールの盗聴をやめたので関係があるだろう。
このドイツメディアのニュースに先立って世界中で一斉に報じられた「NSASSLによる通信を傍受し通信内容を盗聴している」というニュースの内容がこのバックドアを使った盗聴によく似ている。同時に、暗号化してもそれを破れるようNSAが標準化団体に強要していたとも報じられたが、オープンソースの世界で問題があるので使うのはやめた方がいいとされていた暗号形式がいくつかあったので多分それのことだろう。GPGPUを使えば1時間もせずに解析できる程度の強度のもので今となってはあまり意味がない。


FBIは"要請"してバックドアを仕込ませたOpenBSDの採用をCiscoはじめ著名通信機器メーカーに"強く推奨"し、ルーター等多くの通信機器に盗聴用バックドアが組み込まれ出荷された。
しかしこのバックドアの存在が"一部の人々"に知られ"悪用"される事態になり、幕引きを図るため「著名メーカー製通信機器に中国製の偽物が紛れ込んでおり通信を盗み見られているので早急に交換すべき」というニュースが流された。
単に必要なくなったから撤去しただけかもしれないが、FBIの失態のように思える。
そしてOpenBSDはこのバックドアを組み込んだことで最大のスポンサーである米軍から資金提供を打ち切られ開発が頓挫した。
NSAはこの時の教訓を活かしてかデバイスメーカーではなくデバイスを使う側だった各種通信事業者の"協力"を得て盗聴活動をしている。


FBIはOpenBSDバックドアをメールの盗聴に使っていたようで、時期的にみてこの計画は存在が噂されていたEchelonの一部と考えて間違いないだろう。
そしてメールの盗聴を2010年にやめたということはEchelonが役目を終えたということであり、元CIA職員が"リーク"したPRISMというのが後継体制の名前なわけだ。


書きながら調べたらこのあたりから先の諜報体制については英語版のWikipediaにまとめられていた


いろいろ踏まえると、セキュリティ専門家とかが嬉々としてiPhone使っているのを見ると非常に残念な見下すような気分になるわけだが、自分自身このブログで2011年8月の時点で「セキュリティの観点からiPhone一択だ」と書いていて、OpenBSDの件について知っていたのに結構真剣に調べるようになって去年あたり事の重大性に気づいた次第。


とりあえずたぶん今使っているAcerスマートフォン妙なものは入ってないだろうと思う。
バッテリーのもちが非常に良いのは変なものが入ってないからで、入ってないから北米向けに出荷できなかったんだろう。