Search Engine

「ググれ。」
ネットでくだらないことを聞いてこう切り返されている人をよく見かける。
それくらい信頼されているツール、Google。自分も多用してきた。
日本語だと”ググる”というふうに動詞として使うが、英語でも"Google it"という形で動詞として使われる。
ここで忘れてはいけないのは、"Google it" は "search for the information about it" とは違う、ということ。
ググれ、と言っている人は、多分この点を意識していないと思う。
言い換えると、Googleが提示する検索結果はかなり強力にバイアスのかかったものだということに気付いている人は「サーチエンジンで検索すればわかるので自分で調べろ」と言いたいときに”ググれ”とは言わないだろう、ということ。


何日か前にGoogle.cnが使用できるようになったらしい。
これと前後してGoogleのフィルターに手が加えられたらしい。以前は表示されなかった検索結果が出るようになった、ということが記事の根拠になっていた。
確かにここ数ヶ月で何度か手が加えられたらしいということを、自分自身も感じていた。狙った結果が得られなくなり自分のサイトのpage rankが急に下がり、しばらくしてまた元に戻った。


このフィルターの存在は、ユーザーにとって確かに便利なものになってはいると思う。特に、ほとんど何も知らないものについて検索するときは、無関係なものは極力排除したほうが使い勝手がいい。
ところが、ある程度知識がある場合は違うことを感じると思う。
何かについて余すところなく調べ上げたいと思うとき、検索結果を見てこう感じるはずだ。
「これで本当に全部なのか。間違って切り捨てられたものがあるのではないか。」


実際に調べてみればいい。
実用的な結果を出してくれるサーチエンジンはやはりごく一部。
Google、MSN、Yahooの3つくらいだと思う。
サイトのログを見てみるとBOTのクロール頻度が高いのもこの3つの特徴だ。頻度の高さは情報の鮮度に直接的な影響がある。他にも度々クロールしてくるサーチエンジンがあるが、クロール範囲が狭いのかまともな結果が出なかった。
この手のサービスは、一定以上の時間的スパン続けていることが必要だろうし、中途半端な設備では質が維持できないだろう。大手だけが生き残っていける分野なんだということを改めて実感。
前述の通りGoogleは時に必要なものが表示されないくらいフィルターアウトされてしまうので初心者向けにはいいのかもしれない。MSNは大抵Googleよりもたくさんの検索結果が表示される。関係のないものの割合も多いが、目的物のうちGoogleでは表示されないものがあることを考えると余計なものを無視する手間など無いに等しい。
Yahooはこれら2つとはかなり違った結果が出る。Yahooでだけ表示されないものが多い一方でYahooでしか見つけられないもものも多い。特にinktomisearch.com(Yahooが買収した検索サイト。つまりYahoo BOT)からの定期的なアクセスはBlogにも多く残っているのが印象的。
GoogleInktomiの検索結果の違いは十数パーセントだ、というような調査結果が出たこともあったが、今ではさらに差別化を図るようにチューニングされていると考えたほうが良さそう。


自分の中のイメージでは、MSNは後発で使い物にならないという感じだったのだが、時とともに進歩していた。最近では不純物を若干多く含んでいるものの至極まっとうな検索結果を余すところ無く出してくれるMSNを使うことが多い。*1
Googleは検索が事業の中核で"高度"な技術を用いて純度を希求し、もともとディレクトリサービスであったYahooはポータルとしてのあり方のほうが重要であり、MSNはMicrosoftにとって数多ある製品・サービスの一つでしかなく、それぞれこうした事情が検索結果の傾向を決めているような気もする。


「ググれ。」
いろいろ調べてみると、この言葉は自分が思っていたよりもずっと初心者用の言葉だった。

*1:画像検索はGoogleを使う