日本が「眠れる巨人」と呼ばれることがある

Sleeping giant、最近そう呼ぶのを何度か聞いた。
ああ。ああ、寝ちゃったんだ、と。
Lost decade(s)と呼ぶのはちょっとおかしいよね(だってそれじゃ俺達のこの先数十年はもう失われたも同然だし)、という意識が働いてsleeping giantと呼ぶようになたのだろう。僕らもgiantだけどちょっと寝とく、というような、詭弁というか自己欺瞞というか。ボコボコにされておきながら「今日はこのくらいにしといたるわ」と捨て台詞を吐くとか、事を始めるにあたって「明日から頑張る」とか言うのと同じ精神力学が働いているとしか思えない。
さんざん日本を無能だと馬鹿にしてきたが、自分たちも同じ馬鹿だと気付いて全体的に表現が底上げされている。
"The future always comes from Japan."と言われ始めた頃には多くの人はまだ自国が本当に日本のようになるとは理解していなかったわけだが、今やごく一般の層でも理解と受容が広まっている。むしろそれを望んでいる人もいるのかもしれない。
失われた10年ないし20年の間に、欧米人たちが憧れる数々の物が作り出されてきて、日本の国土は荒廃するどころかますます発展した(ように見える)わけで、ならば日本と同じ運命を辿ることになっても悲観することはないのではないか、という希望的観測も広まっているように思える。
日本はまだおかしくなる前の欧米を踏み台にできたからこうなったが、今の欧米にそういう存在は無い。


ちなみに日本の隣で寝てた獅子は100年近く起きなかった。