アメリカが日本に対して通信傍受を要請していたらしい

しかし憲法に違反するとして断っていたのだそうだ。
日本はアメリカの言いなりになっているのではないかと危惧していたが、実際はそうでもなかった。


アメリカが国家元首や国民の通信を傍受していたとしてドイツ、ブラジル、スペインが怒っているが、そうした"機密"と一緒に漏洩したものの中にアメリカが日本に対して諜報活動を要請したとするものも含まれていたらしい。
"光ファイバーケーブル"を介して行われている中国や東南アジアとの通信をすべて傍受しろ、という内容だったらしい。
光ファイバーケーブルとは国際通信を担っている海底ケーブルのことだろうか。
太平洋を横断してアメリカにつながっている通信回線のうちごく一部が台湾からつながっていて他はすべて日本を経由する。だから日本がやれ、ってことだろうか。
台湾もアメリカから要請されていたかもしれない。


で、諜報活動なんてどうせ違法違憲上等でやるもんなのに日本側は憲法違反だとして断っていて、これはストレートに「嫌だ」と言ったのとあまりかわらない。
さすがにこんな要請は断るんだな。
アメリカが日本に一方的に押し付けたともいわれる日本国憲法、役に立つ。
それと、殊中国東南アジア関連の諜報能力で日本がアメリカを上回っている部分があるらしいというのがちょっと意外だった。


アメリカは基本的にやりたい放題で、中国はそれに対抗する形で金盾を作り国産SNSを普及させ米系SNSを排除してきたが今となってはこの方針の方がずっとまともに見える。
結局Googleも中国から追い出されてしまい、アメリカお得意のネット諜報が通用しない領域がしっかりできてしまっていて、せめて同盟国を介す通信は傍受しとけと思ったのかもしれないが、実現しなかった。
こうして表沙汰になってしまうと確かに断って正解だったとしか言いようがない。


日本が盗聴されていたような話は出てきていない。
日本は元々スパイ天国とか言われるくらいだからちょっとくらい盗み聞きされても怒らないのかと思ったら、そうではなくてどちらかというと日本もその一味だった。
GoogleTwitter等に対する日本からの情報開示請求の具合が英米と似ていたり警察のやり方も似ているので日本も似たアプローチをしていることは見当ついてはいたが、諜報活動でもかなり無茶な要求が出るようなレベルで連携しているとわかると、なんだかもやもやした気分になる。


ここ最近の問題露呈をうけて、ドイツがアメリカに対して諜報体制の仲間に入れろと言っているらしい。
新旧英連邦Five Eyesによる諜報体制なのにドイツが加わることなどないだろうと思ったが、どうやら日本がFive Eyes + Oneみたいな形で少し関わっているようなので、ヨーロッパでの諜報活動で散々協力したドイツも入れてもらえると考えたのかもしれない。
しかしヨーロッパにはほかでもないイギリスがあるし可能性は薄いように思う。


こういうのを踏まえて日本周辺の国の動きを見てみると、突飛な行動をとっている国はこういう水面下の連携がまったくなくて情報面で孤立してるんじゃないだろうか。
中国はそこそこ状況に対応してるところを見ると、よく言われる友好国と似たような諜報ネットワークを築いているのだろう。
結構恐ろしいのはロシアで、ほぼ単独でアメリカ陣営と張り合えるだけの能力がある。


TPP交渉とかやってるけど、この諜報活動にあの交渉条件ではアメリカだけ全員の手札を見れるポーカーやってるようなもんかもしれん。